http://m.cinematoday.jp/page/N0027114?__ct_ref=https%3A%2F%2Fm.facebook.com

河瀬直美の作品、「玄牝(げんぴん)」がスペインでの映画祭で公開されたそう。
日本では11月から公開らしい。

河瀬直美作品は、もがりの森しかみてない。もがりの森、は、よかったな。
この作品は、どうだろう。正直、あまり共感できないかも。
たぶん、撮影対象からいうと、自然分娩礼賛、なんだろうなあーと思って。

「玄牝」は、(わたしのなかで)うわさの、吉村医院を映したそう。
吉村医院というのは、自然分娩をうたう産院。愛知県にあるらしい。
そこで出産したい妊婦は、床掃除とか壁ふきとか、体を動かす、らしい。
運動すると、安産になるらしい。

わたしも、出産を体験するにあたり、陣痛促進剤とか薬使わないで子ども産めたらいいなあ、と思っていた。
安産がいいなあとは思わないでもなかったが、激痛は間違いないし、実母の出産体験が壮絶なので、きっと遺伝して自分も血まみれの難産になるに違いないとどこかで思っていた。

無痛分娩にも憧れたが、たいていの場合、自然な陣痛を待たずに、促進剤とセットで、麻酔医の都合のいいときに、薬で陣痛を起こして、出産すると知り、やめようと思った。
(いつだかのAERAの出産特集で、上述のように促進剤を用いた無痛分娩の場合は、会陰の伸びが自然分娩よりも悪く、切開の傷が大きくなるとの記事を見かけた。)

通っていた整体の先生も、運動しないと、難産になりますよ〜こういう運動がいいんですよ〜ある産院ではこんな感じにしていてね…と、吉村先生の名を口にしていた。
出産の痛みが怖くて怖くて何冊も本を借りたら、その中にも名前が。随分な有名人。

結局、わたし自身は、二年前、医療行為をなるべくしない、という方針の産院で出産したのだが。
止血剤なんかは使ったけど、破水して、一般的に言えば早く出産したほうがいい状況にもかかわらず、採血して調べて、細菌などの感染の兆候がないとのことで促進剤は使わずに済み、会陰切開もしなかった(とはいえ、少し裂けた。しかし、同室の子は話を聞くと比べ物にならないくらい裂けていた様子。ということでわたしはおそらく軽傷。)

べつに運動してなかったけど、そんなに歩いてなかったけど、安産だった。
運動しないと難産になる、という世間の声(どこからしてたんだ?)に、いらっとした気持ちは、間違いじゃなかった。
毎日眠いのからだ重いのに息苦しいのに(妊娠中貧血になった。なんとヘモグロビンの数値が、9.7!!)通勤してたし、たまに家事もしてたし、産休中くらいやっぱり休んでよかったんじゃん、と、いま激しく思う。

産後、子どもの歳が近いからってことで、産科医のそんみひょんさんのBlogなど見るようになった。
読売新聞のサイトに連載を持っている。
論旨が明確なところ、あと自身の知識を、弱者の味方になるような使い方をしているところが好きで、よく記事を読む。

彼女は、必要な医療行為まで奪いかねない、もっといえば、緊急搬送につながりかねない吉村医師のやり方を、名を挙げて批判している。
加えて、たまごクラブなんかでみかける、安産だったママがしていたマルマル特集も、批判している。

話があちこち行ってしまったが。
そんみひょん医師の論を読んでいると、出産には命の危険が伴うわけで、希望するやり方で出産が問題なくできたらそれは幸せだけれど、産科医のいない産院というのは、危険に過ぎるのではないかと、自分も思う。

河瀬直美監督のこの作品では、監督によれば、自然分娩に成功した女性たちが幸せな言葉を吐く、とのことだが。少し一面的にすぎるのでは。

うーん、作品を観ないで批判しすぎかしら。
たちゅごんのお迎えの時間なので、このまま投稿しちゃいます。