先週、リベンジポルノについてのネット上のあれこれをみかけたので、未遂(される方)の経験者として、言いたい。

リベンジポルノはただ相手を傷つけたくてやっているだけで、周りの人がはやしたてればそれを実行した人の目標は少し達成されたといえるのかもしれない。だからもし誰かのデータが流れてきても無視するのがいいと思う(大人はそういう対応なんだろうけど)

わたしはされかけたこともあるし、やろうと思えばできる(し、そうしてもう何もかもめちゃくちゃにしてしまいたいというくらいつらかった)シチュエーションも経験した。

むかし、写真を送った相手は異国に住む人だった。たまにしか会えなかったし、わたしを脅すような人ではないと信じていた。彼の送ってくれる寒そうな異国の空が好きだった。

別れましょうと切り出した時、お前の写真をばらまいてやると言われて、やめてほしいと何度もお願いした。聞き入れてもらえないようなので連絡を取るのをやめた。

結局彼が実行に移したのかはわからない。だけど、わたしが彼を思って送ったデータと、彼がわたしを傷つけるために公開するものは、同じものを写し出していたとしても、もはや異なるものだと思えるから、傷つく必要はないのだと感じた。トイレから戻ってきたら間違えてパンツにスカートがはさまっていたというような、意図的でない露呈、ただの失敗。

裸なんてどこででもみられる。見せる意思があって撮影されたものだからこそ、そこに込められた信頼にこそ意味があるのに、リベンジポルノに手を染める人はその価値を見失っている。

お互いだけのものとしてデータを保存した、その理念を最後まで貫くことが、恋人だった過去を思い出にできる最後の手段なんだからっていうのは誰もが同意することなんだろうけど。そんな風に思えない、そういう世界もよくわかる。

手綱をはなれた感情を、コントロールするすべがなくなるほど、愛し愛されたってきれいごとに仕立て上げるのもありなのかな。