今週はお休みをとって、たちゅごんと出かけた。午前は近所のドーナツ屋さんに行き、電車で移動して、保育園の新しいタオルを買って、公園行ってびしょ濡れになるからズボンを買った。そのあとは映画を観て、ハッピーセットを食べた。

完璧な一日。

だけどつい買ってしまったドレッシング二本が重くて、疲れて疲れて、天気のせいで混んだバスからマンションの向かいの道に降りる時つい、たちゅごんに怒ってしまったんだ。もっと早く準備しててよ、って。

たちゅごんは何か言い訳をし始めたけど、わたしは得意げにそんな話は聞かないんだっていう説明をして(なんてったってわたしの方が日本語がうまいから、彼を黙らせるなんて簡単だ)、たちゅごんはそれきり黙ってしまった。

家にはすぐ着いたし、荷物を降ろしたら、いやエントランスでもうそう考えていたかもしれないけれど、わたしが悪かったなって思ったんだ。

それで、相変わらずわたしと目を合わせない彼の二の腕をつかんで、あのささっきは悪かった。あなたのやり方がいやだったけどたくさん言葉をぶつけてあなたの説明を聞かないって言って、いやな気分にさせて悪かった。そう伝えたんだ。

だけど相変わらず顔をそむけたまま、返事をしてくれなかった。わたしはくたびれた気持ちだったので、そのままソファに隣り合って座っていた。


◼︎仲直り?
そのうちたちゅごんはわたしにくっつく距離まで近づいてきたけど、相変わらずこちらに顔は向けてくれなかった。それでもう一回、腕に触れて、さっきと同じようなことを言った。つまり、彼の言葉を遮って悪かった、ごめんと。

やっぱり返事はしてくれなかった。絵本を読んでたか、ファストフード店でもらった玩具をさわっていたか、10分か20分が経っていた。

そのうちお腹が空いたたちゅごんは、あれを食べようと思う、というようなことを言って立ち上がり、お皿を出すことを勧めながらわたしは買ってきたドレッシングがあるからと冷蔵庫のなかから取り出した野菜でサラダを作った。

なんとなくの仲直り、というか日常の動作が続く中で、わたしの罪悪感も少し紛れたような気がした。


◼︎それでも謝りたい
言い返すことひとつせずに黙って顔をそらしていたたちゅごんの気持ちを想像してみた。わたしはそれを味わったことがあると思った。

相手は、わたしを傷つけようとその言動を選んだわけではない。だけど苦しい。

そんな時、わたしは何をして欲しかったんだっけ。ずっと説明して、何度でも言い訳して、そしてごめんねって言って欲しかった。

そうしてもらえないと、信じたいのに、大好きでいたいのに、相手を信じることに躊躇して、好きでいる自分の気持ちを肯定できなくて、それがすごく辛い。

だから寝る前のたちゅごんに、もう一度謝りに行った。ベッドに行って、ごめんねわたしが間違えたんだ、ともう一度言った。

抱き上げられたたちゅごんはさっきまでのしゃっくりが止まったことにも気づかないままに、たちゅあそこで傘が開いてしまってでもバスのドアが閉まっちゃうから急いで出たくて、だから傘開いたままバスの中歩いちゃったごめんなさい、とわたしに話してくれた。

それは悪くないよごめんねおやすみ、と言って、わたしの細切れの夏休み初日は終わりになった。


誰かを傷つけてしまって間違えたと思ったなら、謝り続けるしかない。なるべく間違えないで生きていたいけど、間違えてしまった時はそうするしかない。

もし自分が誰かと関わって傷ついてしまったなら、傷つけてきた誰かが謝ってくれることを祈ろう。それがたぶんきっと、他人から自分をなぐさめてもらうのに有効なやり方だ。

もしそれが手に入らなくても立ち直ろう。それでやっぱり、わたしが誰かを傷つけた時には、何度でも謝ろう、お互いに大丈夫と思えるまで。