
3月は、人生で初めての種類の挫折を味わいました。(何があったのかには触れないのですが、プライベートの出来事です。予想がついてもご指摘をご容赦いただければ幸いです。。。)
予定外のことが起きても、自分は自分のしたいようにすれば、それが幸せだと思っていたのに、そうじゃない場合もあると思い知りました。
冷静に振り返ってみれば、そういう選択を迫られるというのは、映画や小説にありそうな設定だし、現実にだってあるだろうに、幸か不幸か、そういう選択肢しかないという状況に直面したことは、わたしにはなかったようです。
理屈があれば感情をコントロールできるだろうと未だに信じていた自分の愚かさに、32になる年になってやっと向き合ったんだなとも、感じました。
ただ、自分で失敗してみないと納得しない性格だとは常々思っていたので、一方では避けようのないものだったのかなとも思えました。
しんどい気持ちを整理したくて、わかりやすく、髪の毛を染め直して、その場の気持ちで大学以来の短さにもしてみました。
ベリーショートは手入れが大変だし、髪質的に無理と思っていたけど、やってみればなんてことはないのだと感じ、
そして量産型おにぎりを求めない職場で仕事をできることはすばらしいなと幸せも感じました。
選びとっていない選択肢が、結果としてどういうものになるのかはもう知りようがないのだけれど、手にした結果もその過程で味わねばならなかったものも、やっぱり不本意だった選び取りたくなかった味わいたくなかったという思いが、予測できないタイミングで胸の中に
溢れてきてしまう。
それを選ぶと決めたのは自分だから後悔しない、そう決めたしその決断には理屈が伴っていたはずなのに。
現実のわたしには、今更言ってもどうしようもない考えがいつもうっすらと心のどこかにあって、その事実を認識してはに打ちのめされた気持ちになる。
後悔しないための要件を必死で探して、尋ねてまわっていた自分に答えを教えてくれたのは、勤務先のイベントで講演してくださった登山家の栗城史多さんでした。
栗城史多さんは単独、無酸素でエベレストへの登頂に挑戦されている30代の男性で、登山はニートのあとに入学した大学で始められたそうです。大学時代にも無酸素で登山に挑戦、その後エベレストを目指すようになったそうです。エベレスト登頂に成長したあとは、太陽系最高峰を目指して火星に行きたいともおっしゃっていて、その視界の広さに驚きました。
2012年の登頂のチャレンジでは、手と足の指に凍傷を負い、結果として手の指は9本、第二関節より先を失う結果となりました。
最初は靴紐も結べず、もう登山家人生が終わりだと思ったそうですが、現在も登山を続けてらっしゃいます(確か昨日から現地入りとのこと。)
諦めないことでキャリアを積んできた栗城さんにとっては、振り返ってみれば全てが成功で、後悔という気持ちを抱くことはきっとないのだろうなと思い、
それでも失敗が別の面からみれば成功だったと言えるまでには時間のかかることもあるだろう、どういう風に失敗を後悔とせずに消化しているのか。そんなことを聞きたくなりました。
そして、講演会の最後に時間があったので、運良く、後悔したことはありますかと質問することができたのです。
深い質問ですね〜という言葉の後、特に考える風もなく、あります、と答えられて、すこし面食らうわたしの心の中を読むように、
後悔することは悪いことではないと思います、うまくいかなかったことの方が、心に残ることが多いですし。こんなでいいですか、とおっしゃって、回答を締められました。
わたしは自分の感覚に正直に、目の前に起こることも想起する感情も全てを肯定して生きてきたつもりだったけれど、固定観念はまだ残ってたんだなと気付かされた瞬間でした。考えが180度変わりました。
後悔はしない方がいいと思っていたけど、後悔はしてもいい。後悔してると感じるならそのまま、後悔してる自分でいればいいのだと思うと、すこし気が楽になりました。後悔の最中にいるときは、心が乱れて苦しいものだけど。
わたしは今、選んだ方の答えを肯定するために必死で、後悔しないようにあらがってはいる。でも、もしこの先もっと大きく後悔を感じたとしても、それと共存するという選択肢もある(それがどれほどの労力を要するのか要さないのか、わからないけれど)。いただいた言葉から、そう考えることができました。
驚くほどの速さでつらかったことを記憶から消そうとしている自分もいるし、この先ずっと覚えているかもしれない可能性に恐怖を抱く自分もいる。
だけど全部そのままで、どんな感情も恐れずに目を開いて確認していけば、なんとなくうまくいくような気がする。そんな程度にはわたしは楽観的だ。だから、わたしも後悔と共存していけるのかもしれない、そう期待することもできる。
最後にお礼を言って握手をしてもらったら、話面白かったですか?何か力になれましたか?と聞かれました。
いるだけで誰かの力になれそうな栗城さんが、自分の及ぼした影響に細やかに注意を払ってらっしゃるということに、なんだか感激を覚えました。
わたしも次は誰かに、栗城さんからもらった生きる強さを伝えられたらいいなと思います。
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