たしかわたしと同じ歳なので30を超えて、第一子と2歳差の2人目を出産したらしい。
彼女は復職予定だが、万一退職しても経済的には困らないらしい、という話を他の社員から聞いた。
自分の稼ぎがなくても生きていけることについて、そして2人の子どもをアラサーにして育てていることについて、20代の女性社員が、理想的な人生ですよね、とコメントした。
発言した彼女自身は、専業主婦になりたい願望はないと言っていた。
子どもについてはどう考えているのかわからないが、社内では別の女性が子どもの発熱で休みや早退が多いことに、働きながら子育てすることに対する苦労を何か感じとっているのかもしれない。
わたしの夫は平均的な東京都在住の50代男性の経済力を持ち、節制という美徳を備えた人間だと思う。
出産後2年間わたしは働いていなかったが、何の支障もなく暮らすことができた。
その2年間を経験したうえでのわたしの結論は、夫の経済力があるから仕事をする必要性が特になく、子育てに専業できるという環境は、30代の理想の人生ではないということだ。
たしかに、満足のいく収入のために時間を切り売りしたり、理不尽な目にあいながらストレスを抱えながらサラリーマンをすることは面倒で避けたいことかもしれない。
だけど経済的な安定を保証されるからといって、家事と育児にはげみながらたまにこみ上げる、そうだいたい月に1、2回くらい、夫への不満を、
経済面はこの人に頼っているのだからと飲み込む生活は、同じくらいしんどい。
全然理想的じゃない。
それに、子育ては人生のミッションにはならない。
子どもは親と親以外の人間との交流があって初めて幸せだ。わたしはそう思う。
もしかしたら件のアラサー社員には子育て以外の、仕事以外の、やりたいことが、あるのかもしれない。それに彼女の人生が間違ってるとか正しいとかいうことは言うつもりもない。
それでも、専業主婦として子育てをすることは、全然理想的じゃないと言いたい。
なぜなら、家族のメンバーが子育ての専従者になることは、誰かに(特に専業主婦に)無理を強いる家族のあり方だと思うから。無理は無理をしている本人を疲弊させるし他人への攻撃の可能性も秘めている。
社会が時に働きながら子育てすることを許さないことがあるのはわかっている。一度勤務先からはずれた人間の子どもを、保育園はなかなか入園させてくれない。
そして子どもからなんとか目を離してもよくなったころに、社会は子育てから退いた人間に仕事を与えない。
それじゃ働くアラサー子持ちの、わたしの考える理想は?
1.なるべくなら勤務先や金銭収入のツールを確保した状態で(どうしても無理な場合もあるはず、確保できないことで自分を責めなくてもよし)、家庭と仕事といくつかの人間関係を構築していくこと。
2.自分の満足感を他人ではなく自分の活動から得るために、試行錯誤しながら生きていくこと、自分で変えられるものは変えていくこと。
3.子育てになるべく他人の力を投入すること。
この3つの理想の実現のためには、お金が役に立つことが多い。
だからわたしは今後仕事をやめないでいたいと思う。
理想なんて人それぞれなんてことはじゅうじゅう承知だけど、ありがたいことに専業主婦も働く母も経験できたアラサーとして、わたしはこの理想の確保に今後も奔走するだろう。
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