
わたしより1年早く就職した、大学時代の友人がいる。
日本語の堪能な中国人で、在学中の1年間、わたしのいた大学に留学していた。
知り合った翌年彼女が北京大学に戻り、その年わたしは彼女のいた大学に留学をした。
彼女は就職のため再び来日し、今は当時とは別の企業に勤めて来日早数年。希望のキャリアを歩んでいるそうだ。この数年会う機会がなく、さみしい限り。
大学卒業前、彼女にわたしの就職先を報告すると、こう言われた。
それは、あなたが新しいことを学んで、新たな能力が得られるところなの?
と。
その視点が欠落したまま仕事を選んでいたわたしは、とっさに返答ができなかった。
仕事を選ぶときに、「自分ができること」を、活かせる場所に行くことが大切だと思っていた。
就職先にとっても、それは歓迎してもらえるだろうから、就職というのはそのようにすべきだと考えていた。
確かに、できることのある場所に行く、というのはひとつのやり方だと思う。
だけど、新たな能力を手に入れられることの方がわたしにとってもっと大事だと、サラリーマンとして働く中、痛感するようになった。
できることを実現できるレベルで繰り返すことは、毎日洗濯物を干すのにも似て、あまり充実感は得られない。
わたしはもっと、できることを増やしていきたかった。できることのレベルを上げていきたかった。
できることを増やすには、知らないことに挑戦しなければいけない。
それは失敗する可能性もあるし、他人に迷惑をかけることかもしれないから、緊張するものだ。
だけどその緊張感は、本気で向き合えば、楽しむこともできる。
逃げ場がない、一回だけの本気の勝負にどう向かうか、どう備えるか、考えて取り組むことは、おもしろい。
失敗したら、失敗したで、そこからまた別のやり方を考えればいい。
数年前、友人がわたしに教えてくれた仕事選びのポイントは、仕事以外にも応用可能だ。
自分のできることが増える場所、できるようになりたいことがある場所に行く。
仕事だけにかぎらず、そんな観点を軸に生きてみる。
楽しくて新しくて刺激的で、わたしはそんな毎日が大好きだ。
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