仲良くしていた友人(まがえさん)が、公開当時観に行っていた、「ぐるりのこと。」をDVDを借りて観た。

夫婦として他人と生きていくことの大変さを描いてる作品だと思っていたが、もっともっと丁寧に、いろんなことが織り込まれていて、時代が再現される服装や、事件といった設定が面白くて、引き込まれてしまった。

家族のちぐはぐ感には共感したし、そこに救いがなくてもいいという覚悟はゆらがないと確認できた。

会いたい子供に会えなくなるというエピソードが随所にちりばめられていたことに、会いたい子供に会えない人の気持ちはどうやったらなぐさめられるのだろう(いつか息をしなくなって思考が止まるまで、きずあとなんだろうか)と考えたり。

家族じゃなかった他人とつがいになるということは、これから先わたしが取り組んで行くことだと感じて、それは(少し傷つくとしても)嬉しさや安らぎや幸せの方がまさるのかもしれないと思ったり、した。

「人って変わるんだなぁ」というセリフが、心に残った。変わるから、なんなんだろう、幸せになれるのかな、何があっても。そんなストーリーでした。



作品の途中に何度も出てくる、主人公によって描かれる絵を見て、絵を描けるっていいな、と思った。

そして、エンドロールに件の友人の名前をみつけて驚くと同時に合点がいった。そうだった、その友人は芸術家だった。

それにしても、たまたま目を移した画面でスクロールされている最中だったので、自分のタイミングの良さにびっくりだ(映画に映し出される絵を描いていること自体には、さほどびっくりしないが)。

絵を描けるっていいな。それはとても美しいし、記録になるから。わたしはあまり絵が上手くないから、これからも文章で世界をかたどって、誰かに伝えたいと思った。