角田光代の小説がすごく好き。
かっこわるいできごとを、かっこわるいままかいて、
それでいてかっこわるさに対する自分のしんどさや納得の行かなさを消化できないまま生きていくことや、
いつか消化できてるというとこを見せてくれていると思うから。

そのかっこわるさは、自分の選択が他人に影響されながらなされたもの、
自分ではコントロールできなかったものなのに、自分の選択として責任を負わなきゃならないってこと、に関係してると思う。
望むと望まざるとにかかわらず選択に影響を与えあう親子関係や恋人関係を描いた作品を読み、わたしは親子関係の葛藤に自分を重ねてしまう。

どの作品か忘れたけど、親にもらった全てを、できることなら全て吐き出してしまいたい、という文章があった。
純粋な自分だけの選択と結果がほしい。
それはわたしの気持ちそのものだと思って、そういう瞬間にわたしは小説に救われていると感じる。

今の自分を特徴付ける要素や自分が折々に下す判断の根拠から、
どれだけ親の影響、それ以外の自分が望ましいと思わないものの影響を排除できるんだろう。

親からの影響を排除した自分が欲しいと時に願うけれど、それは添加物を摂取しない食生活のように理想でしかない。

わたしは息子にどんな添加物を与えることになるんだろうか。
わたし以外からの影響をたくさん受けますようにと、願ってやまない息子4歳4ヶ月の夜。